Event Report

20.11.05

イヤホンズの3人がオンラインライブだからこそ実現できた、唯一無二の極上のステージ 「EARPHONES Theory of evolution Online Show」

高野麻里佳、高橋李依、長久友紀の3人からなる声優ユニット イヤホンズ 初のオンラインライブ「EARPHONES Theory of evolution Online Show」が10月31日(土)に開催された。

まず最初にお伝えしたいのは、イヤホンズというユニット名にもあるとおり、「イヤホンを着用して観ると、何倍も楽しめる」ということ。
音作りに妥協をしない、クリエイター陣のこだわりを随所に感じられるステージとなった。

昨年10月に開催予定だった4周年記念ライブの2度の延期・中止を経て、約2年ぶりに開催された今回のライブは、冒頭の映像から度肝を抜かれることとなる。

7月に発売された3rdアルバム「Theory of evolution」に収録された「記録」は、3人が受けたインタビューを“記録”した音源をレコーディングし、三浦康嗣氏(□□□)が再構成した楽曲。
リアルタイムで流れるコメントからは「こうきたか!」と感嘆の声が聴こえてきた。さらに、流れるように同氏が制作した「記憶」へ。

歌詞がテキストで流れたり、バックには楽曲に基づいた映像と文字が次々に流れるなど、オンラインならではの演出が盛りだくさん。まるでMusic Videoを観ているような感覚に陥る、不思議な空間が広がった。

冒頭10分でコマクちゃんたち(ファン)の心をグッとつかんだ3人。
お次はどんな曲がくるのか? ワクワクする声がコメントされるなか、次に投下されたのは「あたしのなかのものがたり」。

同じく三浦氏が手掛けた同曲は、ある女の子(高野さん)が、冒険の道を選んだわたし(高橋さん)と安定の道を選んだわたし(長久さん)、それぞれの“選択”をした未来を生きる自分と向き合い、会話をしていくストーリーが描かれている。3人が声優という職業を存分に生かした演技を見せつけ、目と耳を釘付けにした。

また、今回の公演では、冒頭から曲の合間に、イヤホンズのこれまでの活動を振り返る映像をスタイリッシュに編集したものが流され、ノスタルジックな気持ちを誘っていた。

続いては、ガラッとかわり11月5日(木)発売のゲーム『神獄塔 メアリスケルターFinale』のオープニング主題歌「渇望のジレンマ」。

キレのあるダンスと真剣なまなざし、そして見事にシンクロした動きで魅了すると、昨年公開されたアニメ『斗え!スペースアテンダントアオイ』の主題歌「チュラタ チュラハ」でキュートなジェスチャーを見せ、小気味のいいメロディに切なさが絶妙に加わった「背中のWING!!!」、そしてゴスペル調に生まれ変わった「わがままなアレゴリー!!!」をマイクスタンドで歌い上げ、アルバムで進化した耳心地のいいナンバーを続けた。





ここでまた、演出が新鮮なオンラインライブならではのナンバーを披露。「Theory of evolution」に収録された「忘却」と「再生」は、同時再生すると、同じく収録曲の「循環謳歌」になるというギミックがあるのだが、「忘却」を事前に録った3人の歌声で、そして「再生」を生で歌唱するという、凝りに凝ったアプローチで魅せてくれた。

続いて、3人の活動の原点となった「耳の中へ!!!」のリメイクバージョン。各メディアで紹介されているインタビューでも語られているが、今回は『それが声優!』で演じたキャラクターではなく、高野さん、高橋さん、長久さんとして歌っているということで、歌う側も聴く側も、ひときわ感慨深いナンバーとなったことだろう。

最初のMCでは、カメラの向こうのコマクちゃんたちに挨拶。目の前に広がる、ぽっかりとした空間に戸惑いつつも、これまで楽曲をたっぷりと披露してきた3人は、いつも通り仲のいい掛け合いを見せてくれた。

続いては、4周年記念ライブ「CULTURE CLUB」で披露する予定だった、メンバーによるリクエスト楽曲メドレー。

高橋さんはコール&レスポンスが楽しい「私でキマリ☆」、高野さんは3拍子のメロディが幻想的な空気を創り出す「Magic of love」、そして長久さんの、声優の悲哀を描いた名曲「プロ根!~地獄の一丁目特訓!の巻~」ではサイン入りカラーボールをカメラに向けて投げ込む一幕も。

各々の個性が見え隠れしたナンバーを繰り出し、見事リベンジに成功した。




MCでは、3人が夜遅くまで「この曲はこうしよう」と相談していたことも明かされた。今回のライブにかけた想いが日本全国、いや全世界のコマクちゃん伝わったはずだ。

ライブはあっという間にラストソング。彼女たちが最後に選んだ曲は、客席のウルトラオレンジが映える「サンキトウセン!」。

「よっしゃいくぞ~!!」と気合を入れてステージ上を縦横無尽に動き回り、熱唱。

同曲は秋葉原を舞台にしたテレビアニメ『AKIBA’S TRIP』のエンディングテーマとして起用され、ポップな歌詞も印象的な楽曲なのだが、まるで秋葉原のステージがその場に現れたかのような明るく元気なパフォーマンスでライブを締めた。

結成から5周年、まだまだ歩みを止めるつもりはない3人の決意表明のようなステージは、聴く者に、本当に多くの余韻を残しながら幕を閉じたのだった。

photo:粂井健太
EARPHONES Theory of evolution Online Show

(セットリスト)
M1.記録
M2.記憶
M3.あたしのなかのものがたり
M4.渇望のジレンマ
M5.チュラタ チュラハ
M6.背中のWING!!!
M7.わがままなアレゴリー!!!
M8.循環謳歌
M9.耳の中へ!!!
M10.私でキマリ☆/ Magic of love/プロ根!~地獄の一丁目特訓!の巻~
M11.サンキトウセン!

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